海の見える丘 (10)

ちょっとだけノスタルジック
03/10/23(Thu) 


          君を探して砂浜を漂う
          誰もいない海
          光るって言ったって
          ずっと光っていられるものでもない
          僕にも光が欲しい時だってある

          などとぶつぶつ言いながら
          君の言の葉が落ちていないかと
          あちらこちら行ったり来たり
          ないねどこにも落ちていないや
          こんな時にこそ君の温もりが欲しいのに

          ここに君がいればいいのに
          ここに君がいれば僕は君の肩を抱いて
          この海の唄を君だけに詠うのに
          僕は得意げに詠い君に微笑んで
          僕を慕ってくれる君の瞳に光を得るのに



          そっと、、、君の名前を砂に書いてみた

          でも、、、すぐに消された

          波が、、、そうさせた

          僕は小さな貝殻を拾って
          そのまま空を見上げてちっと涙



          うん
          分っている
          分っているよ
          秋風に吹かれちょっとだけ
          ちょっとだけノスタルジックになっただけさ


          そう僕はひとり旅に出たんだ
          口笛吹きながらヤセガマンして

          ここは踏ん張らなくてはね
          こんなちょっとのことで振り返ってはだめだ
          僕は前を向いて歩くんだ


          これから冬が来る
          寒い寒い冬が来る

          もっと大きな炎にならないと
          やがて春がくる日まで
          ずっとここで灯していられるように



          さていくか

          と

          立ち上がり空を見上げれば

          そこにはただ

          秋空が深く青く広がっていた







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特定の人物及び私のプライベート等とは関連ありません。



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