スコール
03/08/21 (有りのままに綴る 11) 


  傘はいらない
  土砂降りの雨に打たれ
  君と歩きたい

  前も後ろも見えない
  強い雨のカーテンは
  僕たちをふたりきりにしてくれる

  都会のど真ん中に
  隔絶した二人の世界


  僕はここで君を抱く
  折れそうになるくらいに強く

  そして熱い口付けを


  誰にも気付かれず
  僕たちはひとつになって
  ふたりは永い眠りから覚める


  スコールは通り雨
  やがて雨上がりの青い空


  僕たちは心の底から笑う
  ずぶ濡れのお互いを見て

  これほど楽しいことはないと言うばかりに



  それは蝉時雨を聴き見た僕の夢


+11+

この文章にはサアラ様が返詩「夢を見せて」をしてくださいました。
ありがとうございました。
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