こんな筈ではなかった
もう金輪際恋などするものかと
固く心に決めていた筈だった
苦しみもがくのはもうご免だ
理性と肉欲との相反に悩むのはもうご免だ
自分を切り刻むようなギリギリの選択をするのはもうご免だ
自己を愛する人のうちに見出さんとする心の切なさ
その人を追い求め息もできないほどに見詰めても
想う以上には届かない言葉の空しさ
僕は君のために生きたい
僕は君とともに歩いて生きたい
いつだって
どんな時だって
僕は君を守るから、、
自分はどうしてこんなに小さいのだろう
自分はどうしてこんなに無力なんだろう
君は僕には過ぎた人
嫉妬する心
卑しい自分との対峙、、、
僕はそれらを知っていた
それらを知っていたはずなのに
もう二度と恋などしないと決めていたのに
・・
その時僕は君を待っていたのではなかった
なのに君はいきなり僕の前に現れて
一瞬のうちに僕の心を虜にしてしまったんだ
それはほんの一瞬の刹那の出来事
かくして僕は恋に落ちた
僕の経験は生かされることなく
+08+
この文章にはサアラ様が返詩「恋する人々」をしてくださいました。
ありがとうございます。