かくして僕は一瞬の刹那のうちに恋に落ちた
03/08/19 (有りのままに綴る 08) 


  こんな筈ではなかった
  もう金輪際恋などするものかと
  固く心に決めていた筈だった


  苦しみもがくのはもうご免だ
  理性と肉欲との相反に悩むのはもうご免だ
  自分を切り刻むようなギリギリの選択をするのはもうご免だ

  自己を愛する人のうちに見出さんとする心の切なさ
  その人を追い求め息もできないほどに見詰めても
  想う以上には届かない言葉の空しさ

  僕は君のために生きたい
  僕は君とともに歩いて生きたい
  いつだって
  どんな時だって
  僕は君を守るから、、

  自分はどうしてこんなに小さいのだろう
  自分はどうしてこんなに無力なんだろう
  君は僕には過ぎた人
  嫉妬する心
  卑しい自分との対峙、、、


  僕はそれらを知っていた
  それらを知っていたはずなのに
  もう二度と恋などしないと決めていたのに

  ・・

  その時僕は君を待っていたのではなかった

  なのに君はいきなり僕の前に現れて
  一瞬のうちに僕の心を虜にしてしまったんだ

  それはほんの一瞬の刹那の出来事

  かくして僕は恋に落ちた

  僕の経験は生かされることなく


+08+

この文章にはサアラ様が返詩「恋する人々」をしてくださいました。
ありがとうございます。
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