『愛してるクリスマス』(7-2) (創作Love Story)




秋の始め頃より僕の仕事は忙しくなりました。
会社の業績が思わしくなく、人員整理をすることになり、
それぞれの立場で忙しなく揺れ動く毎日になったのです。

そんなことをユキに伝えられるわけもなく、
何故かというに、話したところで心配を掛けるだけだからです。
それに彼女は、遠くイタリアのミラノにいて、
伝えようにも伝えるだけの余裕すら僕にはありませんでした。
それほど僕は多忙極まりなく、
また不安定な日々を暮らしていたのです。

ユキからのメールがきても、。
これまでの僕でしたら、すぐに電話を掛けたものでしたが、
平穏な彼女に平穏に話を合わせるのは些か苦痛な時もあり、
メールだけで済ますことも多くなり、
そのメールの文字すらも言葉少なくなってしまうのでした。



「ね、純、最近、なんかおかしくない?
 元気ないように感じる時があるんだけど、、。」

ユキからこんなメールが届いたのは、
冬の風が吹き始めた頃でした。
僕はその時ばかりはユキに心配をかけまいと、
すぐさま電話を掛けました。

「おかしかないよ、普通だよ。」
と電話に出た途端のユキに僕はぶっきらぼうに答えてしまう。

元気があるわけがない。
会社が駄目になりそうなんだもの。
毎日朝から晩まで駆けずり回るように仕事をしているんだ。

だが、そんなことを彼女に話してどうなる。
彼女の胸を痛めるだけのこと。
僕は話題を変える。

「そうそう、もうすぐクリスマスだね、。」
「、、そうね、。」
「去年のクリスマス、みたいのは無理だな、今年は。」
「そうね、。」

「今年は離れて思い合うしかないね、。」
「、、そうね、。。」
「おいおい、なんだかヘンだゾ、そうねそうね、って。。
 なんとか言ったらどうなんだよ。」
「、、、。」


黙ったままのユキ。
、、不機嫌になる僕。













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