・・・ (純雪love story 2004七夕企画) 『哀しい七夕の夜』(8-1) ・・・ あれから半年_。 また七夕の夜が来る。 一年なんてあっという間だ。 ついこの間ユキにサングラスを渡し、 新幹線のホームで別れたようなのに。 たった一年でどうして。 どうしてこんなに変わってしまったんだろう。 地球の反対側ほどに離れた僕たち。 今年は逢うこともできないというのに。 同じ時に夜も迎えられないというのに。 また七夕の夜がやって来る。 ・・ ユキは去年のクリスマスのあと、 イタリアのミラノへ引越ししました。 これまでも遠く離れてはいましたが、 同じ日本のどこかにいるふたりでした。 実際に逢うことはなくても、 いざと言う時はなんとかなる、という安心感がありました。 逢おう、と思えば何とでもなったのです。 ところが。 ミラノと東京ではそうはいきません。 年に一度の逢瀬も侭ならない、 そういう環境にふたりはなっていました。 今年の七夕。 逢う予定もないままにその日は近づいて。 ふたりはお互いに想いを募らせるのです。 離れ離れに。
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