雨に咽ぶ街
04/03/01 (bou 08) 



とてつもない寂しさに襲われる時がある
そんな時に誰かに縋ろうとする
誰か居ないか
声を掛けてくれないか
人の愛に飢えたさもしい野良犬

雨に濡れ寒さに震え
弱っちくなって
くうんくうんと泣いている
上目遣いに憐れみを乞う卑しさ
いつから俺はこんなになった

もともと俺は独りだった筈
どんな孤独にも耐えられた筈
雨が降ろうが雪が降ろうが
寒かろうが暑かろうが
何処吹く風と生きてきた筈


そうだね俺には友達が居る
俺は恵まれている
だが甘えてはならない
気を緩めると我を忘れ
気が付けばさもしい野良犬じゃないか

目を潰され耳を塞がれ
暗黒の闇に落とされても尚俺は
ただ独り自然に光る俺でなければならぬ
そして誰彼がとてつもない寂しさに襲われた時
思い出されるような俺に俺はなりたい

どんな人でも受け入れられるように
どんな時でも受け入れられるように
寂しい時には僕のところへおいでと
いつでも暖かな光りを放っている
そんな俺に俺はなりたい


今の俺じゃ駄目駄目だ
誰が俺を頼ろう
誰が俺を思い出そう
弱っちい濡れた野良犬など
誰が暖かみを感じ得よう

全てを絶って自省せよ




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