ああこの雨は君の涙なのだ
03/08/16 (有りのままに綴る 05) 


  降り止まぬ雨
  僕は車を停めて
  海面を叩きつける雨を見る

  山間の峡谷から送った僕の木霊は君に届いたのだろうか


  波の音さえも掻き消すこの強い雨音は
  君の部屋の窓ガラスも叩いている
  君は僕の心に気づかずに
  たぶん今日も泣いているのだろう

  僕は君だけを見つめているのに
  君はどうして信じない

  僕は君だけを想っているのに
  君はどうして信じない

  何度も呼んだ君の名
  愛している君よ

  僕の声は君に届かない


  いつからだろう
  僕たちがこうして遠く離れて過ごすようになったのは

  あの煌く太陽のもと
  輝いていたふたりの軌跡
  思い出すたびに僕の心は悲しく曇る


  降り止まぬ雨
  僕は車を降りて
  雨に叩きつけられながら海を見る

  雨に打たれるほどに僕の身体は熱くなり
  波の音を掻き消す雨音は僕の心に静寂を与える

  ああこの雨は君の涙なのだ
  海面を叩く雨音は君の心の音なのだ

  なればいつまでも僕はこの雨に打たれていよう


  遠く沖の雲の切れ間に一筋の光
  僕は君の姿を見る

  君が泣いている、、


  奇跡は僕に勇気を与える


  よし今すぐに君の元に行こう

  ずぶ濡れのままに
  熱い身体のままに

  君の元へ


  たとえ時既に遅しとしても


+05+

蒼い影様の「返詩(雨音)」よりイメージ。
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