その当時私には夢がありました

その夢に掛ける情熱が

あなたへの愛情よりも勝って

あなたが私の足枷になることを嫌い

私はあなたとの別れを択んだのです








私はあなたに自分の夢の話ばかりして

あなたを思い遣ることもなく

後ろを振り向くこともなく

冷たい後姿を残して

あなたの前から去りました












あの時あなたは私に

いつまでも待つと言ってくれました


だが私は待たれても

帰ってくる約束は出来ないと言った








あなたの目から流れた涙を

私は下を向き見えない振りをして


私は去った


あなたを置き去りにして
















あれから何年経ったのでしょう








今のあなたは幸せに結婚をされて

満ち足りた生活を送られている




















私はと言えば

今更何も話すことはない




ただ自分の愚かさに気付いたことだけ

あなたに伝えたくもある




夢より大切なもの


それがあなただとやっと気が付いた愚かさ
















遅過ぎた旅の終わりを知り

帰らざる日々に後悔している私など

あなたにとっては迷惑なことでしょう




だが私はあなたを忘れたことはなかった


あなたと別れた後に

あなた以外に恋をすることはなかった




あなたには話さない

決して話さないが








何故なら私はあなたの現状の幸せを壊したくない


今の私にとっては


あなたの幸せが私の幸せ




あの時のあなたの涙を今私は抱き締めて


そっとあなたを想う



















遠く離れてあなたの幸せを願う日々

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