君も僕もいなくなった世界には

いったい何が残るというのだろう




ほんのひと時の逢瀬に喜び悲しみ

その刹那は彩り輝いていても

過ぎ去ってしまえば思い出となり

いつの日にか消えて忘れられる運命









今はもうどんな言葉も届かずに

やがて消えゆく雪の花
































君がいなければ僕がいなければ

二人出逢うことはなかったね

君と僕が同じ世に生まれて良かったね








嫌なことも辛いこともあったけれど

一緒に笑って一緒に泣いて

ほんのひと時でも一緒に過ごせて良かったね








ふたり過ごせた日々は幸せだったね

けんかしても幸せだったね

怒っても怒られても幸せだったね








抱きしめ合えた日々はあたたかだったね

離れていてもあたたかかったね

心で肌で言葉でひとつになれたね
























もう届かない愛してるの歌

冷たくなった君と僕

凍るように固まって動かない












抱きしめたくても

口づけたくても

君は遠くて






























春の日小走りに僕に駆け寄って

君は照れて頬を桜色に染め




夏の日手を取り合い飛び込んだ海

頭から波かぶってこぼれた笑顔




秋の日色づいた君に心揺れて

木枯しの道君をきつく抱き寄せて




冬の日抱きしめた君がか細くて

僕は夢中で口付けた
























何度も何度も言ったね

愛してる愛してる愛してる








何度も何度も確かめあったね

愛してる愛してる愛してる
























もう届かない愛してるの歌

冷たくなった君と僕

凍るように固まって動かない












抱きしめたくても

口づけたくても

君は遠くて






























はらはらと雪の花

思い出に降りつづけて




君を僕を冷たく凍らせ

やがて消えゆく雪の花












しんしんと降り積もる雪の花

君と僕を埋め尽くす




君を僕を冷たく凍らせ

やがて溶けゆく雪の花


























君も僕もいなくなった世界には

いったい何が残るというのだろう




今はもうどんな言葉も届かずに

やがて消えゆく雪の花



































君も僕もいなくなった世界には


やがて消えゆく雪の花

青空へ続く道　（完）

長い間ご愛読ありがとうございました。m(__)m