たった一度だけあなたは

僕を許してくれました


夕闇迫る川原のベンチで

拒むあなたの心を抉じ開けて

僕はあなたの唇を奪いました




















あなたは心を僕に任せて

僕の気持ちが鎮まるまで

為されるままにされていた


あなたの優しさに甘えて

僕はあなたの身体を求めました




















下を向き無言のあなたは

僕の手を固く握っていました


そんなあなたのような純な人を

裏通りの如何わしい場所へ連れゆき

僕はあなたを辱めました
























僕は優しさなどなかった

ただあなたを抱いて

僕のものにしたかった


思いの丈をあなたにぶつけ

僕はあなたを抱きました




























あなたと別れたその日から

僕は止まったまま

あなたを忘れられずにいる


あなたを辱め優しさもなく

ただあなたを抱いて果てた僕を

あなたが再び許してくれることなどないのに
























こんな僕に身も心も許してくれたあなた

あなたは今頃どの空の下にいるのでしょう


僕は遠い空にあなたの幻影を探して

今も尚あなたを恋しく思っているのです

あなたに再び逢えることなどないのに






























あなたを忘れられずにいる僕