あなたは海が好きだったよね

どこに行こっかと聞けば

必ず海って答えたよね


僕たちはよく海に来て遊んだよね

子どもみたいにじゃれあって

波打ち際を駈けてみたり


何もしなくても

海を眺めていればそれでよかった

そんなふたりだった




















海に昇る朝日を見てはどこまでも

どこまでも高く昇れるような

そんな希望を持ったよね


燦々と光ふりそそぐ太陽を

眩しく見上げて心ときめかせ

幸せってやつをかみしめたよね


言葉なくても

心ひとつに同じことを考えてた

そんなふたりだった




















海に沈む夕日を見ながら

影ひとつになって口づけたね

暮れるまでずっと


誰に気にすることなく愛しあえたね

海は僕たちのものだった

あなたと僕だけの海だった


見つめあえば

知れたあなたの想い僕の想い

そんなふたりだった
























あれからどのくらいたつのでしょう

あなたの好きな海は変わらぬのに

あなたのいない海


あれからどのくらいたったのだろう

あなたと過した海に

あなたを思わぬことはない


時は流れてあなたの姿はないけれど

海は今も変わらずにある

あの頃と同じに




















雨の日も風の日も嵐の日も

ふたり手を取り合って

此処まで来たのに


けんか別れしたわけでもないのに

遠く暮らすあなたと僕

風の便りも遠のいて


ふたりとも優しすぎたんだね

心から愛していたのに

互いのためと身を引いて
























ふたりで歌った潮風のメロディ

口ずさんで歩こう

あなたを思い出しながら


時は流れてあなたの姿はないけれど

海は今も変わらずにある

あの頃と同じに


あれからどのくらいたったのだろう

あなたと過した海に

あなたを思わぬことはない
























あなたのいない海