『愛してるクリスマス』(7-1) (創作Love Story) 七夕の夜、純とユキは互いに思い合っていたにも拘らず、 二人の思いはすれ違い、無情にも別々に過したのでした。 あれからふたりの間には諦めにも似た溝ができはじめた。 ミラノと東京。 とてもとても遠いふたりの現実は、 ふたりの気持ちも遠くさせてゆくのでした。 時差と環境。そして一度途切れかけた糸。 半年過ぎてふたりの距離はふたりが考える以上に遠のいた。 愛してる。 手を握ることも、見詰め合うこともできずに、 電話でメールで100万回その言葉を言っても、 温もりは伝わらない。 決して忘れることのない互いの温もりも、 香りも、笑顔も、瞳の奥の真実も、どこか薄れてゆく。 糸の切れた風船がどこか遠くの空に飛んでいくように、 記憶は遠く小さく霞んでゆくのです。 愛しあっていても。 愛しあったことさえも。 遠く遠く消えかかる。
☆ NEXT ☆
|